ペット関連商品やサービスに獣医師の力を

ペット用品、どう売る?今すぐ見直したい販促戦略5選

ペット市場の成長に伴い、新たな商品やブランドが次々と登場しています。しかし、どんなに魅力的な商品でも、「知ってもらえない」「伝わらない」では売上にはつながりません。

特にペット用品は、飼い主が繰り返し購入する消耗品から、比較的高額なケアグッズや家電用品まで幅広く、購買の意思決定に“感情”と“信頼”が深く関わるジャンルです。

この記事では、ペット業界で商品販売に携わる事業者や担当者に向けて、いま見直したい販促の視点を5つに整理してご紹介します。SNS・レビュー・イベントなど、実践しやすいアイデアも交えてお届けします。

その1 チャネル設計で“届け方”を見直す

まず見直すべきは、商品を「どこで、どうやって」売るのかというチャネル戦略です。ペット用品の販促プランに関しては、オンラインとオフライン、それぞれの強みを活かした設計が必要です。

  • オンライン:自社EC、楽天・Amazonなどのモール、SNSからの直接販売など
  • オフライン:ペットショップ、動物病院、トリミングサロン、イベント出展など
  • ハイブリッド:オンライン施策と連動したポップアップや体験イベント、LINE登録キャンペーンなど

ペット用品は実物を見て判断したいというニーズも根強いため、オフライン接点が“信頼形成”に大きな役割を果たす場面も多くあります。一方で、継続購入や新商品の訴求はオンラインのスピード感が優位。商品特性や販売段階ごとにチャネルの使い分けがカギとなります。

その2 SNS・インフルエンサーの「熱量」を活かす

ペットジャンルはSNSと非常に相性の良いカテゴリです。日々の暮らしの中で自然に撮られる写真や動画は、「飼い主のリアルな声」として説得力が高く、販促素材としても活用できます。

  • InstagramやTikTokでの使用シーンの発信
  • インフルエンサーや獣医師による紹介投稿
  • 飼い主によるビフォーアフター投稿のUGC活用

商品レビューももちろん重要なのですが「日常のなかでどう役立ったか」を伝えるコンテンツはペットの飼い主の“自分ごと視点”に刺さり、伝わりやすい傾向にあります。

“かわいい”と“機能性”を同時に伝えることができれば、SNSでの拡散力は大きく伸びるでしょう。

その3 口コミ・レビューで“リアルな声”を可視化

ペット用品を購入する際、飼い主が重視するのは「他の人がどう感じたか」です。犬や猫も犬種・猫種やライフステージ、住宅環境や多頭飼育などの生活環境などによりどのニーズや困りごとは細分化されているため、メーカーが出している公式情報に加え、同じ立場の飼い主の評価・体験談は圧倒的な信頼材料となるのです。

レビュー戦略を強化するには以下のような方法があります。

  • 初回購入者にレビュー依頼のDMを送る
  • 口コミ投稿で割引・クーポンを配布
  • 商品ページに写真付きの声を反映させる
  • 「うちの子が使ってる」投稿を公式がリポスト

レビューが溜まれば、新規顧客の安心材料となり、購入ハードルを下げる効果が期待できます。

その4 イベントや季節性を活かした販促

「今買いたい」と思わせるには、タイミングと演出も重要です。年間を通じた季節イベントや、ペットとの生活行事に合わせた販促は、感情を動かすきっかけになります。

  • 季節ごとの特集(夏の熱中症対策グッズ、冬の保湿ケアなど)
  • 記念日(誕生日、うちの子記念)向けパッケージ提案
  • ペットイベント出展・体験会の実施
  • 店頭サンプリングや無料お試しセットの展開

「季節×課題解決」の視点で商品訴求ができれば、タイミングによる衝動買い+継続購入のきっかけづくりにもつながります。

その5 「何を届けるか」も重要な販促プラン

ここまで1〜4のパートでは、ペット用品を「どこで、いつ、どんな形で届けるか」という“販促手段”にフォーカスしてきました。しかし、それと同じくらい、「何を届けるか」=商品の信頼性や価値そのものも非常に重要です。

その中でも特に効果的なのが、専門家による監修・コメントの活用です。たとえば「このフードは獣医師が推奨しています」「このおもちゃはドッグトレーナーの監修済みです」といった表記があるだけで、飼い主の安心感や納得度は大きく変わります。

つまり、“獣医師が良いと言っている”というブランドをつくることそのものが、販促戦略の一部になるということです。これは単なる信頼の補強ではなく、商品そのものの魅力を最大限に引き出す手段でもあります。

販促における主な設計要素としては、

  • ターゲットごとのチャネル戦略
  • SNSでのリアルな活用シーンの演出
  • 口コミ・レビューの信頼醸成
  • 季節感・ライフスタイルを捉えた販売導線
  • 専門家との連携による“伝わるブランド”の構築

そして何より、チーム全体が「なぜこの販促をするのか」「誰に何を届けたいのか」を理解・共有していることが、販促効果を最大化するための土台となります。

売れないのではなく、伝わっていないだけかもしれない

良い商品なのに売れない——それは商品の問題ではなく、「魅力の伝え方」に課題があるのかもしれません。

ペット用品の販促は、「商品×共感×タイミング」のかけ合わせで、大きな成果につながります。届けたい相手に、最適な形で価値を伝える。そのための販促戦略を、いま一度見直してみませんか?

【記事執筆】

株式会社101 代表取締役 CEO

小川 類 / Rui Ogawa

2006年、株式会社ONE BRANDを立ち上げ取締役に就任。「犬と暮らすライフスタイルマガジンONE BRAND」を創刊、2年で発行部数10万部に。10年間編集長として携わりつつ犬の飼い主向けイベントやペットビジネスのコンサルティング、ユーザーマーケティングを行う。 2018年、ONE BRAND取締役を退任後、フリーランスとしてベンチャー企業のスタートアップ広報やペット向けWebメディアの立ち上げ、編集長としてメディア運営を行う傍ら、多くのペット関連企業の販促施策やマーケティングを企画実施する。事業規模の拡大に伴い2022年に株式会社101を創業。

株式会社101ではペットビジネス支援を行なっており、その一環として獣医師による商品監修サービス『獣医師監修ナビ』を運営している。

株式会社101のHPへ→

ペット商品に信頼感を与える

獣医師監修サービスを提供しています

ペット商品に信頼感を与える

獣医師監修サービスを
行なっております